マンガが教えてくれたこと
- luce Ethos

- 11月16日
- 読了時間: 3分
子どもの頃、母によくこう叱られたものです。
「マンガばかり読んでないで、勉強しなさい!」
スマホも、ネットもテレビゲームもなかった時代。
友だちと外で遊ぶか、家で人生ゲームや野球盤をするか、リカちゃんごっこか、テレビを見るか、マンガを読むか……。
“昭和の子どもの遊び”は、意外にもいろいろな選択肢がありました。
なかでも私は、《マンガ》が大好きでした。
「ベルサイユのばら」「エースをねらえ!」「キャンディ・キャンディ」「エイリアン通り」「ドカベン」「あしたのジョー」「マカロニほうれん荘」「魔太郎がくる!!」「ブラック・ジャック」など。 挙げればキリがありませんが、ジャンルを問わず夢中で読み漁っていました。
マンガを通じて、男女関係なく語り合い、真剣に考察したり、笑い合ったりした日々。
初めてマンガを手にしてから、気づけば50年が経っていました。
昭和、平成、令和と三つの時代を生きてきましたが、どの時代にもマンガはいつも私のそばにありました。
令和の今も変わらずマンガを読み続けていますが、その中でも特に自分に大きな影響を与えた作品があります。
それが『海が走るエンドロール』です。
【あらすじ】 夫を亡くした65歳の女性・茅野うみ子が、美術大学の映像学科で映画制作に挑戦する物語。 偶然出会った若い映像学生・濱内海との交流をきっかけに、うみ子の中に眠っていた「創作への衝動」に気づき、彼女は“観る人”から“撮る人”へと変わり、新しい一歩を踏み出していく。
ごく簡潔にまとめましたが、
60歳を過ぎて美大を受験するというチャレンジ精神、大学での世代を超えた出会い、 互いに影響を与え合い、変化していく姿。
読めば読むほど心に大きな波が押し寄せ、いても立ってもいられなくなりました。
思えば、マンガの影響を受けて始めたことは数知れません。
「ドカベン」の影響で、こども会のソフトボール部に入る(野球部がなかった)
「エースをねらえ!」の影響で、中学校で硬式テニス部に入部する
「いつもポケットにショパン」の影響で、ピアノを真剣に習う
「海が走るエンドロール」の影響で、50代半ばで再び大学で学び直す
なんて単細胞なんでしょう(笑)
でも、始めたことが無駄だったと思ったことは一度もありません。
身体も指も、記憶力も、かなりなまってしまいましたが、実際に経験したことは無にならないと思っているからです。
今の時代、スマホひとつであらゆる情報に触れられます。ほんの少しでも、心が動く瞬間があれば、それも立派な“体験”です。
けれど、画面の中だけではその場の空気や感覚までは味わえません。
「実際に行ってみたい」「食べてみたい」「チャレンジしてみたい」そんな気持ちにさせてくれるマンガは、私にとって、一歩を踏み出すきっかけであり、背中を押してくれる大切な存在です。
―人は年齢を重ねても、好きなものを通じて何度でも“自分を更新”できる―
この言葉を信じて、これからもそれぞれの「好き」を大切にしながら、明日に向かう力を見つけていきたいと思います。
